エッシェンバッハ/パリ管弦楽団が「ボレロ」を演奏したものがTVで放映されましたが、そこでのインタビューを文字にしました。
ボレロは初演以来、多くの指揮者を悩ませてきた難曲、と字幕が出た後エッシェンバッハが語った。
「ボレロを振る時、どの指揮者も様々な切り口から接近を試みます。
最初から最後までタクトを振り続ける指揮者は一人としていません。そのような指揮はたぶん退屈でしょう。
人によっては指揮せず見守る姿勢をとります。
また、指揮をなるべく控え目にしておいて、徐々に動きを大きくしていく人もいます。
私自身は、ものすごい緊張感を生み出すある方法を見つけ出しました。
一見とても簡単に見えますが、実際は非常に難しいやり方です。
音楽の中心となっているのは小太鼓です。この小太鼓が指揮者になり、作品にずっとリズムを与え続けていきます。そして一つ一つのソロが順をおって登場し、弦楽器も入ったオーケストラ全体が大きく盛り上がり、最終的にあの力強い瞬間に至るのです。
私はその間、指揮台の上に立っているだけで何もしません。ただ目だけですべてを指揮するのです。
一人ひとりの奏者を視線で指揮します。彼らもその意味を十分にわかっていて、私の目の動きに注目し、それが著しい緊張感を生み出すのです。
このようなすさまじい緊張感が聴衆にも飛び移るということを何度も聞いたことがあります。
NHK音楽祭でも同じような緊張感が生まれることを願っています。」
以上です。
どうでしょうか。前回も書きましたが、非常に難しいことです。僕にはとってもじゃないができません。
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2 件のコメント:
これは凄いですねえ。まあボレロだからできることなんでしょうが。その指揮姿、見てみたかったです。
私も学生時代に吹奏楽とか合唱とかをやっていたので指揮法を少しだけかじったことがありますが、難しいモンですよね。
すけさん、こんにちは。
たしかにボレロだからできることだと思います。
指揮者側は目から一生懸命テレパシーを送っている感じでした。
一方、奏者側は指揮者の目をどれくらい見ているのだろうか?また指揮者から発せられるものをどれだけ受け止めているのだろうか?というのが素朴な疑問。
なまじっか棒を振られるより、ビンビンに感じているのかもしれません・・・?
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