昨日に続き、中野雄「ウィーン・フィル 音と響きの秘密」(文春新書)から
冒頭から(P3)
「『いままで聴いたウィーン・フィルの演奏のうち、どれが最高でしたか』と訊かれたら、迷うことなく『1978年8月26日の昼、ザルツブルクの祝祭小劇場で聴いたモーツァルト。ふたつのト短調です』と答えるだろう。」
この時の指揮者はレオポルド・ハーガー。決して一流といえない指揮者である。
演奏会後、ヴィルヘルム・ヒューブナー(第2ヴァイオリンの首席奏者)に会い、言われたこと。
「ハーガーの指揮ぶりを褒めたら、彼は破顔一笑
『褒めるならキュッヘルとウチのオーケストラを褒めてくださいよ。今日は完全にわれわれのペースでやれた音楽会だった。
ハーガーは賢い男で、自分の分際を心得ているから、指揮棒を持ってはいたが、なにもしなかった。
はじめから終わりまでオーケストラまかせ - ということ。コンサートマスターの若いキュッヘル(当時30歳前後)が頑張って、われわれが彼と一緒に自分たちの音楽造りをやった。
それを君が感激したってわけです」
恐るべしウィーン・フィルである。
この事件と先日紹介したキュッヘルの言葉が、本書執筆を中野さんがするきっかけになったようだ。
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4 件のコメント:
超一流のオケは、100人いても感覚は緻密なアンサンブル♪と月並みですが。
それをコリーのようにコンサートマスターが束ねる、というイメージが浮かびます。
本業の暗いオケピで指揮も周りもよく見えず、互いを結ぶ神経系が研ぎ澄まされたという珍説はどうでしょうか?
仮に楽団でただお立ちいただいて、たまたまコンマスの位置にいる私が仕切るとすれば、
不協和音を散りばめた『春の祭典』を演ります。(時節柄)
岩城さんも失敗して中断したとか。
昔、小劇場付モーツァルテウム・オケのジルベスターを聴いたことがあります。
プログラムが終了して帰りかけた時、不意にスネアドラムが鳴り、ラデツキーマーチが
始まりました♪ 当然手拍子の大合唱です。
翌日のウィーン・フィルに対するザルツブルグの意地というか茶目っ気というのか・・。
忘れようとしても思い出せない(忘れていた)大晦日の事でした。
800px-SalzburgerAltstadt01
ぱうえるさん、こんにちは。
珍説と言われますが、なかなか的を得ているのではないでしょうか。
「春の祭典」をコンマスの位置で仕切られますか!スゴイ曲を持ってこられましたね。
それを僕は客席で聞いてみたいです(笑)
小劇場付モーツァルテウム・オケというのはザルツブルクもことですか?
ザルツブルグ祝祭小劇場は、通称モーツァルテウムと云われているようです。
美しい装飾で飾られ、室内楽やモーツァルトサイズのオーケストラには最適な音響で、ウィーンの楽友協会ホールに相当するものだと思います。(主観ですが)
国立オペラ劇場の天井桟敷からは、オケピは谷底の暗闇です。
ところがフルートのソロがとてもクリアに天井まで上がってくるのです!
大きな弦楽器の胴の中にいるんだなーと実感しました。
ぱうえるさん、こんにちは。
ザルツブルグ祝祭小劇場にしろ、国立オペラ劇場にしろ、そこで生の音楽をきいてみたいと思います。
実際に聞かれたぱうえるさんがうらやましいいです。
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