昨晩「執念 小澤征爾 76歳の闘い」を見た。
凄まじい内容だった。
番組のタイトルには注意を払わない方だけど「執念」というのはおかしい。内容にあっていない。
昨年の「弦楽セレナード」(チャイコフスキー)が流れた一コマで、小澤さんは“命”という言葉を使っていた。
命がつながっているというようなことを言っていた(かなり記憶が曖昧)
そこから言葉を借りるけど、昨晩のドキュメンタリーからは“命を懸ける”としか言いようのないものを感じたのだ。だから執念と違う。
それから、小澤さんには“音楽に対する情熱”を常々感じているけれども、今回はそれとは違ったのだ。
今年のサイトウ・キネン・フェスティバルで小澤さんが振るのは1曲。バルトークのオペラ「青ひげ公の城」。
このリハーサル風景は、鬼気迫るのもがあった。
ブラウン管を通すと、生で感じるものより何割も減じたものなってしまう限界がある。それでも、おそろしいまでに伝わってくるものがあるのだ。
ステージリハで、オーケストラピットにあって全体が暗い中、小澤さんの顔にわずかな照明があたる。(子供相手に、暗い所で懐中電灯を顔にあて、オバケだ~という場面に近い)
それをカメラがとらえている。バルトークの音楽と合わせると、まさに鬼気迫る感じだ。
それとも、命を削って・・・、いや、削り取った命をむき出しに見せている。そんな感じさえする。
「青ひげ公の城」は土曜日の夜BSプレミアムでやっていたので録画したが、まだ見ていない。
このドキュメント番組を見たからには、軽々しく見れない。
居住まいを正して見なければなるまい。
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