「ジュピター」は、原義がローマ神話にに登場する気象現象を司る神『ユピテル』の英語名。
今、塩野七生「ユリウス・カエサル」を読んでいるが、『ユピテル』の名前が時々顔を出す。ここから名前をとったんだなと妙に親近感をおぼえる。
今日取り上げる曲は、モーツァルト/交響曲第41番。「ジュピター」のニックネームで呼ばれるこの曲を
指揮 : ラファエル・クーベリック 演奏 : ウィーン・フィル で聞く。
1971年8月13日ザルツブルク祝祭大劇場でのライブ録音。ザルツブルク音楽祭の演奏会の一つだったようだ。始めに演奏されたのが「ジュピター」で、次が「英雄」だ。
クーベリックは僕の大好きな指揮者。
あなたの好きな指揮者5人あげなさいと言われたら、迷うことなくクーベリックの名を出すほど好きである。しかし彼が指揮したCDをあまり持っていないのが悲しいところ。
わずかな所有CD及びLPにモーツァルトの後期6大交響曲(オーケストラはバイエルン放送響)がある。LPで3枚すべて買ったが、CDは40番41番の1枚を買いそびれてしまった(悲)
クーベリックが指揮した6大交響曲は、一言でいうと「格調高いモーツァルト」。
曲そのものや演奏の特徴を言い表すのに、僕の貧弱なボキャブラリーでは表現しきれず苦しい思いをするのがほとんどだが、クーベリックのそれには迷いも何もない、すんなり出てきた形容詞だった。
そんな格調高いモーツァルトは愛聴盤の一つ。
それがだ。ザルツブルクライブの「ジュピター」は様子が違った。
オーケストラの違い(1楽章冒頭のヴァイオリンの歌わせ方や表情から違う。管楽器特にオーボエやホルンの響きの違いは言うまでもない。)バイエルンはスタジオ録音とこちらはライブ録音。録音時の年齢差などいろいろ考えられる。
格調の高さではバイエルンに軍配が上がるが、熱気とスケール感はザルツブルクライブが優る。特に3、4楽章がすごい。
4楽章なんかはベートーヴェンの交響曲かと思うほどだ。僕の浅薄な知識とイメージではモーツァルトの演奏スタイルとベートーヴェンの演奏スタイルには断絶があるが、この楽章だけはモーツァルトの延長線上にベートーヴェンが見えてくる。そんな印象を与えた演奏だった。
音楽ブログランキングへ
0 件のコメント:
コメントを投稿