2009年4月22日水曜日
ブルックナー/交響曲第4番
カール・リヒターがブルックナーを振っている。 驚きである。
僕は録音されたものでしかリヒターを知らない。それでいくとバッハのスペシャリストで、他の作曲家のものはわずかしかない。バロックから古典派止まりだったという記憶しかない。それが一気にブルックナーまでとんでいる。「へー!ブルックナーを」と驚いたわけだ。
だからこのCDをもの珍しさで聞く。リヒターには失礼だが、「バッハ風のブルックナーが聞けるかも」という変な色眼鏡をかけて聞いたわけだ。
一言でいうと、悪くない。いやそれ以上だ。バッハ風というわけのわからないものはない、なかなかいいブルックナーを聞かせてくれたと思う。
あえて物足らない所を言わせてもらうと、響きの作り方だ。僕は分厚い響きが好きなので、中低音に不満が残る。ただ、オケ・ホール・録音等の諸条件が絡むから、リヒター一人に責任を負わせるわけにはいかない。
一方、2楽章は出色の出来だ。わーっと広がって大きく包むという感じではない、リヒターから直接こちらに歌が届くという感じだ。マタイ受難曲などで心に迫る演奏をしているが、それと同じ方向性かもしれないと思った。
演奏はベルリン放送交響楽団
1977年11月7日のライブ録音
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