カラヤンの遺した膨大な録音のうち、ライブがCDとして発売されたものはごくわずかではないだろうか。1985年と1988年のライブをここ1週間聞いてきたが、これ以前にライブ録音といえばバイロイトライブ(があったはず・・・、曲名未詳)とマーラーの9番くらいしか知らない。どちらも聞いたことがないが・・・
カラヤンの録音は、ホール等で何回かテイクをとっておいて編集し、完璧なものをLP又はCDにして市場に出すというイメージがある。だから今回の85,88年のライブはどんな演奏になるのだろうかと興味津々だった。
いくつか取り上げたい曲があるが、今日はまずモーツァルト/交響曲第39番について書く。
指揮:カラヤン 演奏:ベルリン・フィル
1988年5月5日サントリーホールでのライブ録音
1988年といばカラヤン最晩年である。この39番を一通り聞いて驚いたことはテンポのこと。
ベームを代表として晩年テンポが遅くなっていく指揮者がいるが、ここでのカラヤンは遅くなることは全くない、颯爽としたテンポで気持ちの良い速さなのだ。
オーケストラの響きはモーツァルトにしては重量感がありすぎという人もいるだろうが、僕は気にならなかった。カラヤンのモーツァルトはこんなものと思っているから違和感はない。
1楽章は主部のテンポとスピード感がいい。勢いのよさはライブならではかもしれない。
2楽章はヴァイオリンのレガートがいっぱい聞かせた歌いっぷり、カラヤン・レガートと勝手に命名しておきましょう。いやはやカラヤン・レガートの炸裂(?) これはこれで気持ちいいもの。
3楽章、ゴージャスな舞踏会というイメージだ。中間部のクラリネットのメロディが大好き。このときは誰が吹いているのだろう?いい音だ。
4楽章、全曲の最後を飾るにふさわしい盛り上がりがある。
素朴な感想だが、カラヤンのライブは結構いいものだ。
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2 件のコメント:
こんばんわ。カラヤンのライブは、確かにあまり聴く機会がありませんね。海賊盤ではけっこう出回っているんでしょうが…。ライブでは別人となる指揮者も多いですから、カラヤンのライブも興味津々ですね。このCDは、欲しいな!と思ったのですが、出始めは2800円という値段でしたので、安いCDばかり買ってきた昨今の状況を考えると、高いな、って思い、二の足を踏んでしまいました。でも、記事を読ませていただき、買いたいな、と思いました。もっとたくさんカラヤンのライブが出ることを期待しつつ…。
mikotomochi58さん、こんにちは。
演奏の完璧さでいえば、ライブよりスタジオ録音の方がいいでしょうが、僕がいい演奏だと思うのは、熱気や音の勢い、感情のこもり具合にウェイトを置いて感じる場合が多くあります(勿論曲によりますが)。
85年と88年の東京とロンドンライブは、熱気や迫力がかなりあるのではないかと思います。これは、同じ曲目をカラヤンのスタジオ録音による演奏でほとんど聞いていない者の感想です。そこを割り引いて文章を読んでもらったらいいと思います。
それから少し前に読んだ村上春樹の影響(?)で、以前より主観性のある文章をかくようになっています。そこも割り引いてください。
価格はおっしゃるように高いですよね。
まもなく届くカラヤン/ベートーヴェン交響曲全集が1500円ですからね。この差を思うと「なんなんだ」という感じです。
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