2009年9月15日火曜日

レースを編む女


ルーヴル美術館“17世紀ヨーロッパ絵画”シリーズ 3回目

今回の展示作品を見て感じたことの一つは、細かな描写が凄いこと。まるで細密画を見ているようです。

細かい部分を生き生きと、まるで実物を見ているように。デジタルカメラでもこれだけのものは撮れないぞと思うほどの臨場感。よくぞここまで描写できるなと、たしかな技術に舌を巻きます。

さて今回取り上げるのは、ヨハネス・フェルメール (1632~1675) の作品

    『レースを編む女』      (1669年頃)

僕はフェルメールが好きなので、今回のお目当ての一つでした。

展示してある部屋をいくつか巡って行って、ようやくこの作品の前に来ましたが、場所がわかってきたのではなく、順番に回っていて見たらこれだったという感じです。 (出会い方としてはそっけないですね)

この作品、なにせ小さいです。「え、こんなに小さいの!」が第一印象。
23.9㎝×20.5㎝なんですね。

有名作品であるため人がいっぱいです。人だかりの前のあまりにも小さな作品。すぐ前に行ってじっくり見たいと思っても、なかなか人は動きません。ようやく前に来ても、特等席を長時間占拠するのも気が引けて、すごすごと横へ行きました。

僕の場合お気に入りの作品があれば、それを前にして何らかのものを感じつつしばらく立っていることが多いです。それが「レースを編む女」ではなるべく顔を近づけて細かい描写に見入るだけで、それ以上同じ場所にいては他の方に失礼だと思い、横へずれました。
小さな絵なのでなるべく近くでじっくり見たいと思うのですが、つねに多くの人がいてそれもかなわず・・・

細かい部分の描写は素晴らしいです。でもそれ以上の感想をもてずにいました。残念なんですが・・・


絵画は生で見るのと、美術雑誌やネット上の画像で見るのと雲泥の差があります。質が違うと言っていいかもしれません。
本物を生で見て感じるものと、写真や複製画から受け取るものは違います。

「レースを編む女」はルーブル美術展に行く前、そして後からも美術雑誌を見て、いい絵だなと思いますが、それ以上のものを感じることができません。可能ならばじっと前に立って見ていたかった。

美術館を3時間でもいいから貸し切りにさせて! お気に入りの作品の前にいる時は人払いをして!と、またバカなことを考えています。

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