2008年1月31日木曜日

エグモント(2)

エグモントといえば、ゲーテの戯曲に音楽をつけたベートーヴェンのものが有名。しかし今は序曲ぐらいしか耳にしないのではないか。

このエグモントを題材にした吹奏楽曲がある。
僕の大好きな作曲家ベルト・アッぺルモント(1973~ )が作曲した交響詩「エグモント」だ。

エグモントは実在の人物で、「エグモント伯ラモラル」(1522~1568)の通称。
時代背景の概略をいうと、
1500年代スペインが支配していたネーデルランド(オランダ)が舞台。
エグモントはスペインのカール五世とそのあとを継いだ息子のフェリッペ二世に仕えていた。
当時オランダはプロテスタントが勢いを増し、カトリックのスペインと宗教上の対立があり、その他の理由もあるかと思うが、オランダの市民階級に不満があって、やがて反乱運動に発展していく。
エグモントはスペインに仕えていたが、やがて反乱運動に参加する。
1567年はスペインは反乱運動を一気に鎮圧しようとする。「血の法廷」といわれる粛清が行われ、数千人の反乱者が処刑される。このときエグモントも処刑されている。
これがきっかけとなって「80年戦争」といわれる独立戦争が起こる。

さて、交響詩「エグモント」
4分構成になっている
 1部 : 結婚 
 2部 : フェリッペ二世とエグモント(対立)
 3部 : 処刑 
 4部 : スペインに立ち向かう(独立戦争) 

ここからは、僕の主観で書きます。
【1部】
16世紀の頃の結婚式の雰囲気を表しているのだろう。華やかさと喜ばしさを表している。映画のサントラとしても使えそうだ。
突然スペイン風のリズムと旋律が登場する。この曲を初めて聞いた時は、急にスペイン風に切り替わったのに驚いた。あとで時代背景を調べて納得する。

【2部】
1部から切れ目なく2部に入る。
スペイン風のリズムにのって、ソプラノ・サックス→トランペット→ユーフォニウムとソロが続く。スペイン王を表していると思われる。
次にホルンが陰鬱で苦悩に満ちた旋律を奏する。エグモントを表しているのだろう。
そしてこの2つのメロディが対位法的にからむ。まさに対立を表している。
最後のギターのソロが印象的。

【3部】
重い足取りで、鉛のような音色(不協和音をうまく使っている)のうえを、不気味で暗い旋律が流れる。刑場へひかれていく人の様子だろう。
終わりの方で、2部に出てきたエグモント(と思う)のメロディが現れる。そしてエグモントの処刑執行。

【4部】
前半は戦いの様子が描かれる。迫力満点だ。
後半は独立軍の勝利だ。高らかなファンファーレと勝利の歌がうたわれ、曲を閉じる。

ベートーヴェンの劇付き音楽(10曲)のうちの序曲しか聞いたことがないが、曲の雰囲気が全く違う。
同じ題材でも作曲者が違えば、全く違う音楽になるいい例だと思う。

アッぺルモントは天才的メロディメーカーだ。 一つ一つのメロディが素晴らしい!
そのメロディがそれぞれの場面や状況を見事に表している。
描写力のうまさは、R.シュトラウスに匹敵すると勝手に思っている。
おすすめの1曲です。

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2008年1月30日水曜日

エグモント

先日我が吹奏楽団のTさんから貸してもらったCDを聞いた。

「ベートーヴェン/序曲集」
指揮 : コリン・デイヴィス
演奏 : バイエルン放送交響楽団

久しぶりに聞いたのは「エグモント序曲」「フィデリオ序曲」「コリオラン序曲」「レオノーレ序曲第3番」
それ以外は初めて聞いた。

「ああ、いい曲だな。」月並みだが、そう思った。
「やっぱりベートーヴェンだ、聞いたらベートーヴェンとわかる」
シューベルト/交響曲第2番のところで書いたが、オリジナリティのあるなしは大切ではないだろうかと思っていたところで、これを聞いたので、ベートーヴェンにはちゃんとしたオリジナリティがあるんだなと再確認した。

コリン・デイヴィスの指揮は端正で、品格がある。
オケの響きも美しい。木管の引き締まった響きがいいと思った。

「エグモント」には思い出がある。
高校の時のこと、近隣の高校が集まって日頃の成果を披露する演奏会があって、そこで隣の高校がこの曲をやった。
2分の3拍子。トランペットその他が鳴り響いた後、2小節目が重々しいリズムを刻む。
その時の演奏ははクラリネットその他が担当していた。弦楽器ならずしりと重々しい音が出せるが、そのような響きが出せていなかった。
いまいちだなと感じた。そのことだけ覚えている。

それでも自分達はクラシックを演奏できるほど、人数もいなかったし技術もなかった。
羨ましくて「いいな、クラシックやりたいな」と思ったのだった。
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2008年1月29日火曜日

sky

sky[スカイ] 空

ではない。[エス・ケー・ワイ]らしい。
「すごく空気が読めない」「相当空気が読めない」という意味だそうだ。

流行語にはついていけない・・・

以下はスポーツ雑感。

大相撲千秋楽結びの一番、
手に汗握るいい勝負でした。ああいう相撲はいつも見てみたい。

岡田Japanの初戦は0-0のドロー、次に期待。
じっくりチームを作っていくことができない岡田監督の苦労はいかばかりか。

スポーツはフェアであるだというのは、絵空事なのだろうか。
ひょんなことから大注目になったハンドボールは、今日と明日が試合。

清原を久しぶりに見た。真黒に日焼けした顔に不精ひげが真っ白。
彼も40歳になっていた。

キャンプイン間近なプロ野球。
自主トレの報道は賑やかだが、それ以上に賑やかになるでしょう。

毎晩、毎晩スポーツニュースが楽しみだ。

2008年1月28日月曜日

スコアを読む

これまでに2回、河井継之助の「彫るように読む」ことについて書いた。
今回は「スコアを読むこと」と少し関連性があるのかなと思ったことを書きます。

継之助の「彫るように読む」のは、心胆を練る、生死の覚悟をもつといったレベルだと思う。

「スコアを読む」は、それとは異質なものだ。音符と睨めっこをして心胆が練れたり生死の覚悟ができたら大変なことだ。
ただ、「魂を揺さぶる演奏」「演奏を聞いて魂が揺さぶられた」という内容の文を読んだことがあるが、そうなるには考えられないぐらい深いレベルでのスコアの読み込みがあるはずだ。
深く読むという点では近いものがあるかもしれない。

陽明学の教えの一つに「知行合一」がある。
高校の倫理社会か大学の日本思想史で習ったか定かな記憶はない。この言葉だけ覚えていて、本当の意味を知らない。wikipediaなどで調べるが、読んでいても理解できない。
だからこそ、本来の意味からはずれても、思い切って拡大解釈して、「知識と行いとを一致させる」という意味でとらえると、
その為に継之助は、「彫るように読む」のだろう。その読み方はあくまでも手段だと考えることができる。
「スコアを読む」は、目の前にある音符から読み取ったこと(知識)を実際に演奏する(行い)。実際には自分では音が出せないから、自分がイメージした音をプレーヤーに出してもらうために必要なことをする。
・・・と考えると「知行合一」なのかなと思ったりする。

まあ、学術的に深めていくつもりは全くないので、このあたりで止めておきます。
本当は「熟読」「精読」について書くつもりだったのが、ふと思いついてしまい、最初から脱線してしまいました。これについては後日に。
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2008年1月26日土曜日

曲名の頭文字からとって「T」としているあの曲。
今週初めてやりました。我が吹奏楽団として初めてです。

いや~、よかったな~。

と素朴な感想。

我が母校が定演で取り上げたのが数年前。練習のお手伝いで1,2回指揮させてもらったことがある。あの時は急に頼まれて、一夜漬けでスコアを勉強して、なんとかその場しのぎでやった。少しばかりのお手伝いになったかなというぐらいで、僕自身は「やったぞ」という満足感も何もなかった。

今回は一週間前からスコアを読み続け初練習に臨んだ。奥が深いので、スコアからわずかしか音楽が読み取れていないと思うが、それなりの準備をして臨んだわけだ。
ほとんどのメンバーは初見演奏。曲は有名なので知っている人は多かったと思う、手探りしながらの演奏ではなかっただろう。
さて練習。
前奏の10小節の後、11小節目から主題のメロディがでてくる。ここがいい感じで音がでる。思わずニンマリである。そのあと初めてにしてはスムーズに進む。
中間部の盛り上がりもそこそこいい感じ。
全体の3分の2までしかできなかったが、僕自身それなりに満足していた練習だった。
来週は残りの3分の1をして、全曲通しをする予定。

それからK小学校校歌の録音をした。
出来上がりを聞く。自分達の録音を聞くとほとんどの場合、気恥しくなる。どうしてもアラが聞こえてくる。
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2008年1月25日金曜日

シューベルト/交響曲第2番

その時代の雰囲気だろうか、やっぱりハイドン、モーツァルト、ベートーベンに似ている。
いい曲ではあるが、名曲としての地位を得るには、なんらかのオリジナリティが必要ののではないか、
聞くものを弾きつける何かがなければならない、と漠然と思った1曲だ。

ところで「シューベルトらしさ」とは何だろう?
800を超える曲を作っているうちの十数曲(冬の旅のような歌曲集を1として数えている)しか聞いたことがないものがわかるわけがない。
でも、なんとなく「シューベルトらしさ」があるような気がする。

各楽章について断片的な感想を書きます。
<1楽章>
序奏はモーツァルトの交響曲第39番1楽章の出だしに似ている。
Allegro vivace は、小気味よいメロディが第1主題。このメロディは僕のお気に入り。
第2主題は美しく歌っている。

<2楽章> 
「歌曲の王」と言われるシューベルトは、天才的なメロディメーカーだ。
その美しいメロディを味わうのは緩徐楽章がいいと思った。

<3楽章>
少しばかりの武骨さとわずかな憂いを含んでいると感じた。だけど
「悪いけど普通のメヌエットだな」 と独り言

<4楽章>
軽快な曲。
この軽やかさは何だろう !こんような軽みを書ける人はそんなにいないだろう!



1番から順に聞くシリーズ
何の芸当もないが、僕にとっては思わぬ副産物がある。
一つは、未知なる曲が聞けること。
そして、これまで全集を購入しても、聞かないCDがあった。聞いても1、2回でその後はずっと埃をかぶって何年もそのままになっていたり、さらには二度と聞かない可能性の高いCDもある。
それが、ブログに書くと決めた以上しっかり書かなければならないと自分にプレッシャーをかけじっくりと聞くようになった。ながらで聞くことが多かったのが、しっかりと耳を傾けて聞くようになった。しかも1、2回ではない、5回以上は聞いている。(その後は埃をかぶるかもしれないが・・・)

【データ】
1楽章 : Largo;Allegro vivace
2楽章 : Andante 
3楽章 : Menuetto:Allegro vivace
4楽章 : Presto VIvace

聞いたCD
イシュトヴァン/ウィーン・フィル
コリン・デイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレ

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2008年1月24日木曜日

雪の金閣寺

「雪の金閣はきれいだった!」

これは僕が大学1回生の時のこと。昨夜TVで放映した東京の雪の様子を見て思い出した。

田舎から京都の大学へ進学。1月のある日のこと、京都で珍しく約5cm(ぐらいだったと思う)の積雪。
市バスは止まり、大学の授業は休講。たったこれくらいの雪でバスも動かないことに驚き、授業が休みになったことが不思議でならなかった。我が田舎ではありえないことだった。

でも、ラッキーと思った。
誰が言い出したか、「雪の金閣を見に行こう」ということになる。

拝観入口を入り、霧吹きをかけたように雪が積もっている木々に囲まれた道を歩いていく。
いくらか歩くと金閣が見える。
うっすら雪化粧した木々や池の中に金閣が美しく映えていた。

あの美しさは忘れられません。

2008年1月23日水曜日

ピクシー

ピクシーは愛称で、ドラガン・ストイコヴィッチが名前。
今シーズンから、Jリーグ名古屋グランパスの監督になる。昨年の新聞に、Jリーグで監督をするために必要なS級ライセンスがとれていないので、監督になれそうにないという記事があったが、監督になったということはライセンスがとれたのだろう。

ピクシーは名古屋で数年プレーした。ピクシ―というのは「妖精」という意味だそうで、その如く素晴らしいテクニックで美しく、また魅惑的なプレーをした。

オシムがユーゴスラビアの代表監督だった時の選手でもある。

そのピクシ―が今度はJリーグチームの監督として日本に戻ってくる。
外国人選手が一度日本でプレーして、次に監督として日本に再びやってくるのは嬉しいこと。
ジーコやブッフバルトがそうだった。今回のピクシーもそうだ。

監督としての力量は未知数だが、活躍を祈る。

2008年1月22日火曜日

本能寺の変

今TVで宣伝している「歴史のミステリー」創刊号を買ってみました。

歴史上の事件で定説となっている事柄が、新資料や新事実の発見で、定説が疑われ又は覆ったりしている。いろいろな新説が出てきて、どれが真実なのかわからない状態になっている。
そういった様々な説をいくつか選んで、コンパクトにまとめているという印象だ。

「通説を疑う」というのは学問の一つの態度で、そこに積み重ねられた研究をわかりやすく提示してくれるのが、「歴史のミステリー」の魅力かと思われる。

一つネタばれで紹介しましょう。
「本能寺の変」は、明智必秀が本能寺に泊っていた織田信長を襲ったのは間違いのない事実。だが、なぜ光秀が信長を殺さねばならなかったのかは、大いなる謎となっている。

僕が子供の頃は、光秀の個人的な恨みが原因と聞いていた。定説だったのである。
これが疑わしいと数ページを割いてこの説明にあてている。

真相は何か。
この事件には黒幕がいた、朝廷である。
(これはあくまでDEAGOSTINIが真実と考える説である)
これを裏付ける史料をもとに説明している。

これで7ページある。
手軽に知識を得るにはちょうどよいぐらいだと思う。さらに詳しく知りたければ、関連書籍を買うなり、図書館で借りるなりすればよい。

ところで、本能寺の変の黒幕説だけど、いろいろな本が出ているし、雑誌でも特集を組んでいるのがこれまでもあった。
ぱらぱらと見たぐらいで手許にないが、僕の記憶では、黒幕に
朝廷、足利義昭、秀吉、家康などの説があったと思う。

僕は朝廷黒幕説に大いに頷かされる。
・ 本能寺の変の前など、信長が朝廷の権威を実質的に奪おうといている。
・ 安土城の発掘によりわかったことで、天皇を自分の下の置こうとしているetc.

天皇や朝廷は、権威が奪われそうになったり、存在が脅かされると、防衛本能が呼びさまされる。
相手を倒すために陰謀が張り巡らされるのだ。
陰湿な陰謀は公家の得意分野の一つだというイメージが僕の中にある。

前例がある。(といっても一つの説だが)
井沢元彦「天皇になろうとした将軍」によると、足利義満が天皇になろうとした。皇位簒奪計画があったというのだ。
ところが実現一歩前で急死した。暗殺されたと主張している。
陰謀の張本人は公家である。

こうした井沢さんの本の影響もあって、朝廷黒幕説に今のところ賛成票を投じておきます。

2008年1月21日月曜日

寒い

先週ずっと寒かったが、今週もずっと寒いのだろうか。
今日は大寒、寒いのは当たり前なんだけど・・・

先週はストーブのお守りをしていました。寒いのは苦手で、ストーブの前から離れられません。
今週はどうなるのだろうか・・・

と、ぼやいてばかりはいられません。

今週の我が吹奏楽団の練習曲は、ジューンコンサートに演奏するオリジナル曲「T」(しばらくTを使います)とK小学校校歌。

昨秋K小学校に演奏に行ったところ、校歌の演奏が気に入ってもらえたそうで、録音してほしいという依頼がありました。今週録音します。
ははは、嬉しいな、編曲冥利に尽きるなと自己満足しています。
演奏に際して、楽器間のバランスに気とつける等注意していい演奏ができるように心がけます。

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2008年1月20日日曜日

シューベルト/交響曲第1番

プロコフィエフの交響曲全集と同時に購入したのがシューベルトの交響曲全集。
HMVの輸入盤2セットで25%OFFに見事に踊らされてしまった(笑) 
財布の中身は寂しくなったが、どちらも廉価盤なのでお得な買い物だと自分を納得させている。

少しシューベルト購入にいきさつを。
昨秋、プロコフィエフ以外のもう1枚又は1セット何にしようかと迷っていて、時間ばかり過ぎていた。
決め手になったのは、いくつかのブログでシューベルト/交響曲第5番が取り上げられていたこと。
この曲には、僕個人が理想化されている(されすぎているかもしれない)名演がある。
もう20年以上前になると思うが、FMで流れていたイシュトバン・ケルテス/ウィーン・フィルの演奏。
これが僕の心をとらえてしまった。
1楽章の第1主題のヴァイオリンの優美さと軽やかさ、これが忘れなれない。
ワルター、ベーム、コリン・デイヴィスと聞いたがどれもケルテス以上の満足を与えてくれなかった。

HMVでケルテス/ウィーン・フィルが演奏する第5番のCDを検索したが、1枚ものではなく交響曲全集があった。
シューベルトの交響曲は未開拓で、第5番、第8番「未完成」、第9番「グレート」ぐらいしかまともに聞いたことがない。金額がかさむが全集を買って、これを機に全曲しっかり聞こうと思ったわけだ。

前置きがながくなりましたね。しばしの間お付き合いを。

ということでぽちぽちと聞き始めたが、ふと「プロコフィエフは1番から順にブログに書いているから、シューベルトも同じようにしてみるか」と思い、今日から始めることにした。

聞き方は同じ。予備知識なく、流れてくる音だけに耳を傾け、個人的主観と偏見で持って感想を書く。この流儀で通します。

第1番全曲通しての感想は、メロディライン、音の響き、曲の作り方など、ハイドン、モーツァルト、ベートーベンの影響を感じさせる。
具体的にどこがどうとは言えないが、ここはハイドン風かな、これはモーツァルトっぽいな、この響きはベートーベンに近いなといった具合だ。

それでも何歳の時の作品だろう。かなり若い時のものだと思うがよく書けていると思う。

気軽に聞けると言っては作曲者に失礼だが、緊張してかしこまって聞くのではない、気楽に楽しめるのは魅力である。

聞いたCDは
イシュトバン・ケルテス/ウィーン・フィル
コリン・デイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレ

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2008年1月18日金曜日

彫るように読む(2)

「峠」(司馬遼太郎著)を読み直している。飛ばし読みしながらの再読である。

読書法に少しばかり関心があって、薄っぺらな知識を持っている。
「素読」「音読」「速読」「精読」といったものからから、線を引いたり、書き込みをしたり、気に入った言葉を書き写したりと。
読書と言えるかどうかわからないが、本文やあらすじを朗読したものを聞いたりするのもある。おまけに2倍速や3倍速それ以上で聞くのもある。
(これらを知っていても実践しているかどうかは別である)

そんなこんなで読書法に関心があるから、「彫るように読む」という表現にはビビビっときてしまった。
性懲りもなく続編を書きますが、関連箇所を本文より引用しつつ進めます。

主人公は河井継之助。越後長岡藩の藩士。(1827~1868)
時代は幕末、ペリー来航以後の混乱期から大政奉還、戊辰戦争そして北越戦争で没するまでが小説の舞台である。

河井は陽明学の徒。
江戸の古賀塾で再び学んだのは、そこに「王陽明全集」があるから。江戸で「王陽明全集」を所有しているのは古賀塾だけで、それを読むためにこの塾にきている。

「その読み方も、かわっている。単に読むのではなく、例の彫るような難筆(こんなことばはないが)でもって、書写しているのである。」(上P53)

その書写の仕方が「一劃々々、気根をこめ、一字をまるであぶら汗を垂らすようにして書いてゆく」(P47)
他の塾生にいわせると「文字を彫る」ということになる。

継之助は
「おれは、知識という石ころを心中の炎でもって熔かしているのだ」(上P54)と語っている。
ここで司馬さんが解説を加える
「熔かすは継之助のすきな陽明主義にあっては、知識を精神のなかにとかしきって行動のエネルギーに転化するということであろう」(上P54)


凄い読み方だと思う。

視点をずらして、「スコアとにらめっこ」もこれに似たものがあるような気がする。
音符の並びから音楽を読み取っていくのである。
これについてはこれから考えていこうと思う。

2008年1月16日水曜日

アルプス(2)

昨日は吹奏楽でしたから、今日はクラシックで「アルプス」を
となると勿論この曲ですね。

R.シュトラウス「アルプス交響曲」


40分を超える大曲である。全体が22の部分からなり、それぞれに表題がついている。
詳しくは、以下を参考にして下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%97%E3%82%B9%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2

http://www.asahi-net.or.jp/~QX4A-OGW/alps/alps.html

描写力にかけては抜群のうまさをもつR.シュトラウス。この曲はさながら自然の大展覧会のようだ。
日の出から日の入り、小川や滝、牧場、花、鳥の鳴き声、霧や嵐等ある。
また登山から下山までのストーリーもある。
これらの細かな表現から、アルプス全体の雄大な表現まで幅の広い。

僕の持っているCDは1枚のみ
ケンぺ/ドレスデン・シュターツカペレ

ケンぺは僕の大好きな指揮者。
オーケストラは抜群にうまい、そして響きが美しい。PPがきれいなのだ。
ここぞという時の迫力、音の勢いと熱気もすごい。

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2008年1月15日火曜日

アルプス



「世界の車窓から」は好きでよく見ている。昨夜は南アルプスのあたりをしていた。
ということで「アルプス」にちなんだ曲を。ここではあえて吹奏楽でいきたい。

フランコ・チェザリーニ作曲 交響詩「アルプスの詩」

吹奏楽にも交響曲や交響詩はある。このことを初めて聞く人はちょっと意外な感じを受けるかもしれないが、作曲家が表現したいものを、それに適した演奏形態と形式を用いるだけのことで、何ら不思議なことはない。

さて曲を聞きましょう。
夜明けの場面かと思われる始まり方で、R.シュトラウスの「アルプス交響曲」に似ている感じがする。
(解説が手許にないので、どういう情景・ストーリーをえがいたものかわからない。)
この静けさの中にあってものが、やがて徐々に緊迫した場面へ変化していく。

この曲は場面転換がうまくできていて、緊迫した場面、雄大さを表す場面、しっとりと聞かせる場面とうまく入れ替わって出てくる。
抒情的な美しさはチェザリーニも持ち味で、美しいメロディが心にしみてくる。「ブルー・ホライズン」(青い水平線)の最終部分もいいけれど、ここも負けず劣らず美しい。
また、荘重なしらべがゆっくりと盛り上がっていくさまは、アルプスの雄大さを表しているのだろう。
スケールの大きな曲と言っておきましょう。吹奏楽でもアルプスの雄大さを表せることを証明した1曲ではないだろうか。
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2008年1月14日月曜日

プロコフィエフ/交響曲第4番

1番から順に、一切の予備知識なく聞いているプロコフィエフの交響曲シリーズ。あくまで個人的主観を書いている。プロコフィエフに詳しい人が読むと笑止千万かもしれない。後でいろいろと調べると赤面することが多いかもしれない。でもそんなの関係ないとばかりに書いていく。

今日は交響曲第4番
まず作品番号について
第3番が44、第4番が112となっている。ものすごくあいているなと思って、他の交響曲を見ると、
第5番が100
第6番が111
第7番が131
作品番号だけでいくと第6番の次になるが、なぜそうなるかわからない。
純粋に音だけを聞くことにしているので、敢えて調べずにおく。

<1楽章> 
穏やかに始まる。なんとなくチャイコフスキーに似ている感じがしたので、何の根拠もなく、プロコフィエフはロシアの作曲家だなと思う。
突然速いテンポに変わる。(この切り替えがうまい!)ここでのノリがすごくいい。(聞いていて癖になりそう。つまり鼻歌のレパートリーに入りそうという意味)
この楽章はテンポの速い部分とゆっくりの部分の対比でできていると思われる。
速い部分は、軽快さと突進力を持った行進曲風(?)な性格をもつ。
ゆっくりの部分は、穏やかなところや朗々と歌い上げるところがある。
このメリハリがうまくきいている。

<2楽章> 
静謐さと穏やかさがあって、メロディがきれいな曲。
「プロコフィエフは緩徐楽章で、いい曲を書くじゃないか!見直した。そして彼の新たな一面を発見したよ。」と物知り顔で言っておきましょう。

<3楽章> 
「のどかだな」というのが第一印象。朴訥な味わいがある。

<4楽章> 
冒頭のピアノ、弦楽器のピチカート、ティンパニで始まる独特な響きが印象的。
バルトークの「オケコン」に似た雰囲気がある。「オケコン」が大好きなこともあってか、初めて聞いた時から、この楽章への好感度はかなりいい。
個人的好みでいうと、大変おもしろい。もし「プロコフィエフの交響曲1~4番のどれか1つの楽章だけ指揮させてやろう」と言われたら、第1番の各楽章にわずかばかりの未練を感じつつも、この4楽章を迷うことなく選ぶ。それほどおもしろい。

曲全体として、fやffの少ない曲だ。第2番1楽章のほとんどfやffばかりできている曲と対極にある感じだ。

【データ】
交響曲第4番ハ長調作品112
1楽章 : Andante - Allegro eroico [14:31]
2楽章 : Andante tranquillo [9:38]
3楽章 : Moderato, quasi allegretto [8:05]
4楽章 : Allegro risoluto – Andantino - Allegro come prima [10:38]
演 奏 : 小澤征爾/ベルリン・フィル

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ぽんかん

先日、和歌山に帰省していた方から、ぽんかんをいただきました。
みかんでも伊予柑でもない、オレンジでもない食感と味です。
久しぶりにたべました。

おいしかった!

2008年1月13日日曜日

テクニック

「テクニック」について、僕の考え方を変えさせた言葉を紹介します。

岩城宏之「岩城音楽教室」よりP56~57
“フランスのさるピアノの先生は、日本では「テクニックがある。」と言われていたある若いピアニストに対して「おまえはテクニックがない。」と断言したそうです。
つまり「ファシリテ(器用さ)」と「テクニック(技術)」は違うというのです。

日本では、手が回ってテンポの速い曲が自由自在に弾ければテクニシャンと言われ、自分もそう思っていたわけですから、そのピアニストが、そこで受けたショックは、音楽観が変わるほどの激しい体験だったことでしょう。

器用さとは、たんに指だけで勝手に曲が弾けるようになること。
技術とは常に頭と指先がつながっていること。つまり内面の音楽性を、苦もなく指から出すことのできる反射神経をきたえることがテクニックだというのです。

器用さだけの人は、テンポの遅い曲を弾いたときに、その音楽性のなさがもっともばれやすい。曲を器用に弾けるという運動神経の問題だけでは、聴く人を感動させることはできません。
運動神経プラス内面性、音楽性こそ、ほんとうのテクニックであるとその先生から教えられたわけです。”


僕自身ここでいう「器用さ」をテクニックと考えていたが、そうではないことを教えられたわけです。
この著書でいう「技術」つまりテクニックは、みがいていかなければならないと思いました。
僕の場合は、バトンテクニックもさることながら、内面性と音楽性です。

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2008年1月12日土曜日

高原

高原が浦和レッズに入団。

浦和での活躍もさることながら、岡田ジャパンでのFWの大黒柱としての活躍に期待したい。


昨夜のTVで城が言っていた。(独断と偏見でまとめると)
「Jリーグですぐ活躍するのは、難しいかもしれない。なぜならヨーロッパ仕様の体とJリーグ仕様の体と違うから。
ドイツなどでは接触プレーが多いから、筋トレなどをして当たり負けしない体を作る。Jリーグでは速さとか体のキレで勝負する。
体の作り方からプレースタイルが違うので順応するのに時間がかかる」
というような内容だった。
これは城がスペインでプレーした後、日本に帰ってきて体験したことを交えての意見なので説得力がある。
さて、どうなるか。

2008年1月11日金曜日

僕が見ているブログでは、4日と5日に放映された「のだめカンタービレ」関連の記事は、ほぼ出てしまって、そろそろ終わりそうな感じがする。
今更それに付け加えて書くことはない。

ここでは、あくまで個人的なことを。

「のだめ」を見て、より正確にいうと玉木宏を見て、しばらく静かに潜んでいた願望が少しばかり顔を出してしまった。
その願望とは
・ ヨーロッパの由緒あるホールで演奏してみたい
・ オーケストラを指揮してみたい

オケの指揮といっても、数分ですむような序曲とかはダメ。交響曲や管弦楽曲(後期ロマン派から近代にかけて作曲されたもので、演奏時間が数十分もするものじゃないとおもしろくない)

まあ、叶えられることのない夢ですね。

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2008年1月10日木曜日

6ヶ月

ブログを始めて6ヶ月になりました。

今まで3本柱できましたが、今後も3本柱でいくでしょう。

3本柱とは
・音楽(クラシックと吹奏楽)
・スポーツ(サッカー、野球、フィギュア他)
・歴史(今のところ司馬遼太郎もの)

他の話題も書いていくと思いますが、基本路線は変わらないでしょう。

拙ブログへお越しの皆様、今後ともよろしくお願いします。

2008年1月9日水曜日

初練習


この写真は、いつも使っている練習会場です。
我が吹奏楽団のHPから無断で借用しました。(管理人さんごめんなさい)

これを見ると気が引き締まります。
指揮台の下の部分が斜めになっているのが、ご愛嬌ですが。どこかぬけている僕を表しているような気がします。

さあ、今週から練習が始まります。気合入れてやりましょか!

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2008年1月8日火曜日

彫るように読む

司馬遼太郎「峠」(中)P392~393より
古賀謹一郎(河井継之助が江戸遊学時代に学んだ塾の先生)が、河井を評した言葉を福沢諭吉が覚えていて、それを語る場面

「古賀先生が、
― 河井という男は、妙だ。
と、しきりにいったのである。書物というのはわずかの数量しか読まない。王陽明全集と宋明二代の語録。明清二代の奏議類ぐらいのものである。それを彫るように読む。気に入ったところは書写する。あとはしきりと物事を考えている。」

『彫るように読む』とは、どんな読み方だろう。
これについてずっと考えている。

(上)P275の河井と吉田稔麿(吉田松陰の弟子)では次のように言っている。
「私は気に入った書物しか読まない。そういう書物があれば何度も読む、 会心のところに至れば百度も読む(以下略)」

方法はなんとなくわかる。
ただ、何をどう彫るかはわからない。そしてどう血肉とするかである。
河井はこの読み方で心胆を練ったと思う。生き様もここからきていることが大いにあると思う。

しばらくこの言葉が頭の中あるだろう。これについて、なんとはなく思いめぐらすことがあるだろう。

「彫るように読む」。今年最初に出会ったずしりと重いことばである。

2008年1月7日月曜日

選曲作業

ジューン・コンサートの選曲作業は昨秋から始まり、12月には候補曲を練習し始めた。
そして12月最後の選曲会議で絞り込みをした。

いよいよ今週から新年の練習がスタートする。
確定した曲と最終候補(?)になった曲を次々とやっていく。
1月の練習は候補曲をメインにする予定。やっていく中で絞り込みをかけていく。

次回の選曲会議の日程は未定だが、そこで落選する曲がでる。
落選曲の中に自分がぜひやりたいものがある場合、泣く泣く承知はするが、その悲哀がたまらない。
「今年ダメでも来年の候補曲にあげよう」と自分で納得させてきたが、たぶん今年もそうなるであろう。

さて、今年初めての練習には何をしようかな。1つは決まっているんだけど、あとはただ今考慮中。

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2008年1月6日日曜日

目で指揮(2)

昨年12月21日に書いた「目で指揮」の続編

エッシェンバッハ/パリ管弦楽団が「ボレロ」を演奏したものがTVで放映されましたが、そこでのインタビューを文字にしました。


ボレロは初演以来、多くの指揮者を悩ませてきた難曲、と字幕が出た後エッシェンバッハが語った。

「ボレロを振る時、どの指揮者も様々な切り口から接近を試みます。
最初から最後までタクトを振り続ける指揮者は一人としていません。そのような指揮はたぶん退屈でしょう。
人によっては指揮せず見守る姿勢をとります。    
また、指揮をなるべく控え目にしておいて、徐々に動きを大きくしていく人もいます。   

私自身は、ものすごい緊張感を生み出すある方法を見つけ出しました
一見とても簡単に見えますが、実際は非常に難しいやり方です。

音楽の中心となっているのは小太鼓です。この小太鼓が指揮者になり、作品にずっとリズムを与え続けていきます。そして一つ一つのソロが順をおって登場し、弦楽器も入ったオーケストラ全体が大きく盛り上がり、最終的にあの力強い瞬間に至るのです。

私はその間、指揮台の上に立っているだけで何もしません。ただ目だけですべてを指揮するのです

一人ひとりの奏者を視線で指揮します。彼らもその意味を十分にわかっていて、私の目の動きに注目し、それが著しい緊張感を生み出すのです。

このようなすさまじい緊張感が聴衆にも飛び移るということを何度も聞いたことがあります。
NHK音楽祭でも同じような緊張感が生まれることを願っています。」

以上です。
どうでしょうか。前回も書きましたが、非常に難しいことです。僕にはとってもじゃないができません。

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2008年1月5日土曜日

ジューン・コンサート

一般的に「定期演奏会」と言っているものを、我が吹奏楽団では独自の名称を使っている。

それをそのまま使わず、このブログ専用ではジューン・コンサートと呼ぶことにする。

定期演奏会から名称を変え、6月にするようになって早や4年。今年も6月にする。
6月にする演奏会だからジューン・コンサート。単純明快である。

このコンサートは、我が楽団にとって一番メインとなるもので、僕の頭も心もそこに集中していく。
この演奏会を成功させるのが、今年前半の目標である。

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2008年1月4日金曜日

高橋英樹つながり

NHK大河ドラマ、今年の「篤姫」で、島津斉彬を演ずるのは高橋英樹。
1990年の「翔ぶが如く」で、島津斉彬を演じたのは加山雄三。腹違いの弟の島津久光を演じたのは高橋英樹。
1977年「花神」で、河井 継之助を演じたのは高橋英樹。花神の主人公は河井継之助ではない。
高橋英樹は僕の好きな俳優。彼が演じたことで「河井継之助」という名前を知った。

今、河井継之助を主人公にした、司馬遼太郎「峠」を読んでいる。

2008年1月3日木曜日

OB会

今日の夜、母校吹奏楽部OB会の新年会があります。

楽しみです(ウキウキ)


ウィーン・フィルのニュー・イヤー・コンサートはよかったです。TV欄でジョルジュ・プレートルの名前を見た時は意外な感じがしたけれど、演奏を聞いてみて申し分のないものでした。

プレートルのバトンテクニックについて(音楽そのものより、そちらに気を取られてします悪い癖ですが)
音楽の表情をうまく表していたと思う。
曲想をうまく表してくれる指揮を見るのは好きなのだ。

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2008年1月1日火曜日

新年

明けまして

おめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。