2009年9月9日水曜日

大工ヨセフ

かなり御無沙汰状態になっていました、ルーブル美術館展の感想シリーズ。
今回は一緒に行ったM君が印象に残ったと言っていましたが、僕も絵を前に釘付けになった一枚でした。

作者はジョルジュ・ド・ラ・トゥール (1593年−1652年)

作品名は

大工ヨセフ

 1642年頃の作 

ヨーロッパ文化を知るにはキリスト教やローマ神話の基礎的知識がないといけないと言われますが、僕にはそれが乏しく随分損をしているかもしれません。

この「大工ヨセフ」は、キリスト教の知識がなければ、ただの大工と息子を描いた絵としか見れないかもしれません。

右の子供はイエス・キリスト、左は父親(血はつながっていませんが)のヨセフです。
作品解説は
http://www.ntv.co.jp/louvre/description/pict12.html
にあります。

17世紀ヨーロッパ絵画をテーマとして日本に来ている作品を見て思ったのは、全体的な色調は暗めのものが多く、その中で光のあるところや光があたる部分はすごく明るい。まぶしさを感じさせるほどです。作品によっては明るすぎて、目を細めてしまいそうなものもあります。

画面における明暗の比は、「暗」が多くを占め「明」が少ないからこそ、明るさが効果的になるのかなと素人考えで思います。

その観点から行くと、「大工ヨセフ」もろうそくとそれに照らされる部分の対照が鮮やかです。まずこれに目が奪われます。イエスの顔に釘付けになり、そしてヨセフの顔をじっつ見つめました。
そして蝋燭から遠ざかるにつれて光が弱くなり、反射する服や肌の色が変わっていく、その色の変化が実にうまく表現されています。

光が当たらない暗い部分でも微妙な濃淡があります。そして黒でもただの黒ではありません。深い黒だと思います。
この深い黒にも惹かれるのですね、ただし内面の深さや思想的な深さはわかりませんが(苦笑)

2 件のコメント:

ジョビジョバ さんのコメント...

よんちゃんさんこんばんは☆

私が通っていた高校ではお御堂や廊下のいたるところに小さな絵が飾られていました。

質素で慎ましい生活を照らす小さなともしび。
暗い農場にさすひとすじの光。
希望の光。

私もこういう絵がなんとなく好きでした。

やんきぃな友達とワィワィ廊下をかっ歩してても、こういう絵が目に入るとみんな神妙な気持ちになるのでした。

よんちゃん さんのコメント...

ジョビジョバさん、こんにちは。

そういえばG高校出身でしたね。かなり前にきいたことを思い出しました。

校内に小さな絵が飾られているのですね。

>こういう絵が目に入るとみんな神妙な気持ちになるのでした<
音楽もそうですが、絵にも人の心に働きかける何かがありますね。