2008年2月8日金曜日

ノアの箱舟(2)

ベルト・アッぺルモント作曲「ノアの箱舟」  (原題はNoah’s Ark)

アッペルモントが、26歳頃にレメンス音楽院の卒業制作として作曲したもの。
4部構成で、切れ目なしに続く10分半ほどの曲。

昨日にあらすじを記していますので、それと合わせてお読みください。

第1部 「お告げ」
トランペットのソロで始まり、ユーホニュームが2拍遅れて同じメロディを繰り返すという輪唱の形を取っている。アッぺルモントの処女作(?)、独創的な出だした。
「お告げ」と訳されているが、神からの啓示であろう。「啓示」というと威厳のあるものといいうイメージがあるが、このメロディは穏やかで牧歌的な感じさえする。

第2部 「動物たちのパレード」 
完成した箱舟へ入場していく動物たちの様子であろう。楽しげに始まる行進曲風の曲。少しずつ音量をあげ、わずかな群れからだんだん大きな群れとなって進む様子を表している。

第3部 「嵐」
一転して緊迫した場面になる。
嵐を表すメロディが奏され、これを中心に展開し嵐の情景が描写される。

ここ部分にアッぺルモントの特徴が表れていると思う。
アッぺルモントの曲は全編歌にあふれている。(これがたならなく好きなんだな!)
たとえ嵐の場面でもいっぱいメロディがある。ベートーヴェンの「田園」4楽章と比べてみるとわかる。
「田園」の嵐の場面、メロディらしいメロディはあまりない。それ以外の要素で嵐を表している。

第4部 「希望の歌」
嵐が過ぎ去り、洪水がおさまる。陸が現れ、箱舟はアララトの山にとどまる。
水が完全にひいてから、ノアとその家族や動物達が箱舟を出る。
これからの素晴らしい未来を期待しての「希望の歌」であろう。まさに喜びと希望に満ちた音楽となっている。
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4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

「ノアの箱舟」を題材とした音楽で真っ先に思い浮かんだのが黛敏郎作曲の映画「天地創造」です。
確か吹奏楽用にアレンジされている筈です。

よんちゃん さんのコメント...

たっくんさん、こんにちは。

「天地創造」という映画はビデオ屋でタイトルだけみたような気がします。
たしか洋画だったような・・・
黛敏郎が作曲しているということは、邦画にそのタイトルの映画があるのですか・・・と、いろいろと考えても仕方ないので、今度ビデオ屋に行ったときにチェックしてみます。
貴重な情報ありがとうございました。

匿名 さんのコメント...

遅レスでごめんなさい。

映画「天地創造」は1966年のジョン・ヒューストン監督による米・伊合作映画で、黛敏郎の音楽はアカデミー賞にノミネートされました。映画の内容は旧約聖書の7つのエピソードをそのまま映像化したつくりです。

音楽ですがなかなかスペクタクルな映像に負けない重厚なサウンドですが、インパクトに欠けているのが正直なところです。
「ノアの方舟」は動物たちのマーチだったと思いますね。
耳に残っているのは「アダムとイヴ」の楽園追放シーンで「怒りの日」の旋律が登場する箇所ぐらいでしょうか。

よんちゃん さんのコメント...

たっくんさん、こんにちは。

返事が遅れました。すみません。

「天地創造」は結構古い映画なんですね。
外国映画に黛敏郎が作曲したのは驚きです。
(こういうと日本人作曲家への偏見ですが・・・)

でもおもしろそうですね。
今度ビデオ屋に行ったら、借りてみます。