2008年4月11日金曜日

催眠術師(2)

前回からの続きで、P83より

「一つの曲はさまざまな要素から成り立っています。作曲者が、ここいちばん強調したいところなんだ、という想いをこめて書いたクライマックス、その前後に配置された小さな“山”と“谷”、そして広がる“野原”、フルトヴェングラーがその著作の中で<緊張と弛緩>という表現で説明していることなんですが、カラヤンの音楽造りでは、そのメリハリが実に明快なんですね。
オーケストラが自分達の音楽を自由になっていい部分、そして『ここだ!』という乾坤一擲の頂点、そのあたりの心配りが、どんな音楽についても行き届いています。だから、リハーサルでも本番でも、無駄な神経を使う必要がない。演奏する側にとっては、とても大切なことです。」
(ルドルフ・シュトレング、ウィーン・フィル元首席ヴィオラ奏者)

「細々と指示されているわけではないから、私達はじぶんの音楽を気分良く弾いたつもりになっている。
ところが終わってみると、これが100パーセント“カラヤンの音楽”になっているんですね。催眠術師みたいな人です、彼は」
(ワルター・ヴェラー、ウィーン・フィル元コンサートマスター)

今日は無用なコメントをさしはさみません。

音楽ブログランキングへ
              にほんブログ村 クラシックブログへ

0 件のコメント: