2008年4月16日水曜日

ヴェルディ/トロバトーレ

トロバトーレを聞いていて思い出したこと。
10代後半から20代中ごろまで、日曜日の午後3時からNHK-FMでやっていた「オペラアワー」を聞いている時の感覚が思い出されてきた。毎週聞いていたわけではない。たまに聞いていた程度だ。

その時に感覚というのは、日曜日の午後から夜にかけてのなんとも言えぬ暗く、やや塞いだ気分だ。明日から学校か(又は仕事か)という憂鬱なものがあったのかもしれない。また、何もすることがなく退屈で仕方ない、どよんとくもったような気分だったかもしれない。
そんな気分ばかりで、当時はオペラを聞いていたわけではないのだろう。
だけど、このヴェルディのオペラと夕方あたりがだんだん暗くなっていく様子と日曜午後の気分がセットで思い出されてきた。

ことわっておきますが、ヴェルディのオペラには、僕が知っているわずか数曲の中には暗く憂鬱な曲はない。悲劇的な部分はあるが、この2つは異質なものだ。

さて、ヴェルディのことだが、彼はは時代がかったものが得意のような気がする。(深く知らないから言える暴論です)
「アイーダ」だったり、この「トロバトーレ」だったり。またシェークスピア原作の「オテロ」「マクベス」だったりと。

この「トロバトーレ」は、運命のいたずらに翻弄された人間の復讐劇や、愛の三角関係を盛り込みながら劇が進行していくもので、音楽を聞いていても、それらの台本にマッチしているように感じる。
アリアや合唱がうまくちりばめられ、場面転換もはっきりしている。劇的で輝かしかしくスケールが大きい。聞く者をとりこにする音楽だと思った。

聞き覚えのある合唱がある。一般的に「鍛冶屋の合唱」といえば通じるのだろうか?
合唱はわかりやすいメロディで実に楽しい。
「トロバトーレ」は高級なエンターテイメントではないだろうかと、不謹慎ながら思ってしまった。

素朴な感想として、同じイタリア人でもヴェルディとプッチーニは体質が違う。作風が違うというよりも質的に違うような気がする。
ほとんど車の中でBGMとして聞いていました。音楽に対して失礼と思いつつ・・・

演奏はカラヤン/ベルリン・フィルほか(1977)

音楽ブログランキングへ
             にほんブログ村 クラシックブログへ

0 件のコメント: