2008年10月31日金曜日

共有

『人々と音楽を共有することこそ、私の指揮の秘訣だと考えています』

こう述べているのはレナード・バーンスタインだ。
昨日一節を引用した「マエストロ」の202ページにある言葉だ。さらに

『なぜ私が指揮を愛するかというと、私に指揮される人々と、私たちの演奏を聴く人々を愛しているからです。これはこれで、ひとつの大いなる愛の行為なのです。 (中略)
指揮の秘訣は何かと訊かれたら、私は、それは愛だと答えます。』

音楽を共有すること、たしかにそうだと思うが、僕自身あまり意識してこなかったことだ。音符にあることをそれなりの形にすることに一生懸命で、そちらに気がまわらない。共有という感覚が僕には薄いのかもしれない。

我が吹奏楽団の最大の演奏会「ジューンコンサート」では、「お客さんに楽しんでいただく」を大切にしていうので、お客さんと音楽を共有していることを一番感じられるステージかもしれないと思ったりもする。
いやいや小学校での演奏も、客席とのやりとりで楽しいひと時を共有しているといえるぞと言えば、そのような気もしてくる。
つらつら考えてみるが、しかとした感覚がないのでなんともいえない。これから少しでも意識してみようと思う。

また、バーンスタインは指揮の秘訣が愛だと言う。
その場にいる人々が呼吸をともにし、感情を共有している、そして何か特別なことがおこりだすと、もうたまらないらしい。

「ふーん」とうならざるを得ない。好きな音楽を好きな吹奏楽をしているが、僕は奏者を愛しお客さんを愛しているのだろうかと、自分に問いかけてみると、それに対すと反応が言葉として出てこない。深いため息と低い声が同時に出てしまう。

・ ・ ・ ・ ・

考え、また物思いにふけっても、今現在ではこれ以上文が書けません。
頭に片隅に置いて、時々自分に問いかけようかなと思っています。

さて明日から3連休ですね。といっても僕は土曜日は仕事があります。
3日は町の文化祭があり、そこで演奏してきます。

「吹奏楽のための民話」 Jim Andy Caudill作曲 

「ジャパニーズ・グラフィティⅩⅡ」を演奏します。

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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

こんばんは、夢雲(むうん)です。
いつも、興味深く読ませていただいております。

さて、

私がいつも行くスーパーは今年6月からピアノ独奏曲を店内BGMとしています。
私はスーパーのBGMは購買意欲を促す目的でマーチや流行歌を使用するのが定番と思っておりましたので、ゆったりとしたピアノソナタを耳にした当初は「調子狂うな~」と呟く状態でしたが、最近はそのゆったり感にも慣れて、適宜聞き流したり聞き入ったりしながら買い物をするこの頃です。

で、
ここからが《本題》!

先日、いつもの様にそのスーパーで買い物をしていた時のこと。
私の後から店内に入ってきた5・6歳位と思えるの女の子と若いお母さんが、楽しそうに「わっ!今日はキャベツが安いわ」とか「おさかながピカピカひかってるね」との会話を親子二人で交わしながらカートを押していました。
と、かわいいおしゃべりをしていた女の子、ふいに黙って店内BGMにしばらく聴き入り
「あ、これ、みやづできいたおんがくっ!」と叫びました。
「えっ?」とびっくりしたお母さんに対して
「ほら、ラッパのひとたちが、してたやん」と女の子は自分の感じたことを確認するためにしっかりとお母さんを見上げています。
お母さんは片手にお豆腐を持ちながら、しばらく我が子と同じようにBGMに耳を傾けていましたが
「まぁ、ホント!これはあの時の曲ね!○○チャン、よく覚えていたね。そしてよく判ったねぇ~」と子どもの主張に大いに頷く笑顔を我が子に返しました。
もちろん、女の子も自分の発見がお母さんに認められて、得意気で、ちょっと照れ臭そうなニコニコ顔。

♪♪~~♪~♪~
そのとき流れていた曲は
「主よ、人の望みの喜びよ」です。
♪♪~~♪~♪~

私は、その光景の傍らにいて、
当時の楽団長サンが「みんなが幸せになる演奏会になりますように~」と楽団HPの掲示板に書き込みされていたことを思い出し、[あぁ、あれはこういうことなのだ]と、片手に半額シールの納豆を握りしめつつ、目をウルウルさせてしまったのです。

このことは、『音楽の共有』につながりませんか?

よんちゃん さんのコメント...

夢雲さん、こんにちは。

5・6歳位の女の子が私たちの演奏を覚えておいてくれたのは、驚きでありそれ以上に嬉しいことです。

すごい!すごい!と何度も叫びたい気分です。

また、曲が「主よ、人の望みの喜びよ」であることがさらに嬉しさを増します。と同時に思うのは、この曲を作ったバッハの偉大さです。

こんないい話を教えてくださってありがとうございます。


「音楽の共有」のことは突き詰めて考えたことはないですが、確かにつながるような気がします。