2008年1月22日火曜日

本能寺の変

今TVで宣伝している「歴史のミステリー」創刊号を買ってみました。

歴史上の事件で定説となっている事柄が、新資料や新事実の発見で、定説が疑われ又は覆ったりしている。いろいろな新説が出てきて、どれが真実なのかわからない状態になっている。
そういった様々な説をいくつか選んで、コンパクトにまとめているという印象だ。

「通説を疑う」というのは学問の一つの態度で、そこに積み重ねられた研究をわかりやすく提示してくれるのが、「歴史のミステリー」の魅力かと思われる。

一つネタばれで紹介しましょう。
「本能寺の変」は、明智必秀が本能寺に泊っていた織田信長を襲ったのは間違いのない事実。だが、なぜ光秀が信長を殺さねばならなかったのかは、大いなる謎となっている。

僕が子供の頃は、光秀の個人的な恨みが原因と聞いていた。定説だったのである。
これが疑わしいと数ページを割いてこの説明にあてている。

真相は何か。
この事件には黒幕がいた、朝廷である。
(これはあくまでDEAGOSTINIが真実と考える説である)
これを裏付ける史料をもとに説明している。

これで7ページある。
手軽に知識を得るにはちょうどよいぐらいだと思う。さらに詳しく知りたければ、関連書籍を買うなり、図書館で借りるなりすればよい。

ところで、本能寺の変の黒幕説だけど、いろいろな本が出ているし、雑誌でも特集を組んでいるのがこれまでもあった。
ぱらぱらと見たぐらいで手許にないが、僕の記憶では、黒幕に
朝廷、足利義昭、秀吉、家康などの説があったと思う。

僕は朝廷黒幕説に大いに頷かされる。
・ 本能寺の変の前など、信長が朝廷の権威を実質的に奪おうといている。
・ 安土城の発掘によりわかったことで、天皇を自分の下の置こうとしているetc.

天皇や朝廷は、権威が奪われそうになったり、存在が脅かされると、防衛本能が呼びさまされる。
相手を倒すために陰謀が張り巡らされるのだ。
陰湿な陰謀は公家の得意分野の一つだというイメージが僕の中にある。

前例がある。(といっても一つの説だが)
井沢元彦「天皇になろうとした将軍」によると、足利義満が天皇になろうとした。皇位簒奪計画があったというのだ。
ところが実現一歩前で急死した。暗殺されたと主張している。
陰謀の張本人は公家である。

こうした井沢さんの本の影響もあって、朝廷黒幕説に今のところ賛成票を投じておきます。

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